「月3万円で30年積立すれば3000万円!」
そんな甘い計算を信じて新NISAを始めたのに、数ヶ月で資産が減って慌てて売却…
実は2024年、そんな「NISA損切り民」がSNSで話題になりました。
😱 Xで大炎上!「NISA損切り民」とは?
2024年4月、X(旧Twitter)で「NISA損切り民」がトレンドワードに。日経平均株価が4万円台から3万7000円台まで下落した際に、新NISA初心者がパニック売りしてしまった人たちのことです。
実際のXの投稿:
- 「貯蓄より投資と言われてだまされた。もうかるって言ったじゃないか」
- 「毎日、資産が減り続ける。NISAは何かの陰謀か?」
- 「新NISA始めないやつはバカ」みたいなこと言って煽動して、これ
みんな、他人事ではありませんよね…。
📉 なぜ「損切り民」は生まれてしまったのか?
問題1:下落幅を知らずに投資を始めた
投資経験の少ない方にとって動揺しやすいのが「下落局面」です。大切なお金を投資に回した結果、急な下落によって刻々と数字が下がっていくのは、非常に怖く感じるもの。
多くの人が想像していた投資:
📈 理想の複利グラフ(きれいな右肩上がり)

「月3万円 × 30年 × 年利7% = 3000万円!」
毎年着実に7%ずつ増えていく…
現実の投資:
📉 実際の市場(激しく上下する)
1年目:+15%(やった!)
2年目:-8%(え?)
3年目:+22%(よかった…)
4年目:-25%(もうダメだ…売る!)← ここで損切り民に
問題2:事前の心の準備ができていなかった
普通の投資計算サイトで見せられるのは:
- 「30年後に○○万円になります!」
- きれいな右肩上がりのグラフ
- リスクについての具体的な説明なし
でも現実は…
📊 実際にどれくらい下落するの?シミュレーターで検証
ケース1:S&P500に月3万円積立(20年間)
一般的な計算サイトなら「約2400万円」と表示されるでしょう。
でも、モンテカルロ・シミュレーションで現実を見てみると…
シミュレーションが示すリスクの幅:
- 元本割れのシナリオ:約1.3%の確率
- 最大損失率:約23.8%(運用期間中に経験する可能性)
- 下位5%:10-11年間元本割れのシナリオも
これが意味すること…
- 様々な市場環境を想定すると、12%のシナリオで元本割れとなる
- 運用期間中に一時的に35%程度の下落を経験する可能性がある
- 同じ時期に投資を始めた人は同じ結果になるが、いつ始めるかで結果は大きく変わる
これを知らずに投資を始めたら、確かにパニックになりますよね。
💪 では、どうすれば「損切り民」にならずに済むのか?
1. 事前に「現実的な下落幅」を知っておく
心の準備チェックリスト:
- 30-40%の下落は「普通のこと」だと理解する
- 元本割れする可能性があることを受け入れる
- 短期的な損失に動揺しないメンタルを作る
2. 自分のリスク許容度に合った設定にする
リスクを下げる方法:
現金比率を設定する
全額投資ではなく、現金比率20-30%で運用
結果(リスクの幅):
- 元本割れシナリオ:1.3% → 1.1%のシナリオに減少
- 最大損失率:23.8% → 16.5%のシナリオに減少
- 下位5%:10-11年間元本割れのシナリオも
現金比率を設定するだけで、最大損失率がが下がります!
20年後の元本割れ確率やはあまり変わりませんが、途中での下落幅が小さくなります。
より安定した商品を選ぶ
S&P500より8資産バランスファンドの方が安定
8資産バランスの場合:
- 元本割れシナリオ:約1%
- 最大損失率:約16%
- 下位5%:10年間元本割れのシナリオも
🎯 年代別:「損切り民」にならない投資戦略
20代:時間を味方につけた積極戦略
20代の特権:
- 30年以上の長期運用が可能
- 一時的な下落も時間で解決
- 多少のリスクは取れる
おすすめ設定:
- S&P500メイン
- 現金比率:0-10%
- 心構え:「30%下落しても20年後に回復する」
30代:バランス重視戦略
30代の現実:
- 住宅購入、子育てでリスクを取りにくい
- でもまだ20年以上運用できる
おすすめ設定:
- 全世界株式メイン
- 現金比率:10-20%
- 心構え:「安定性も大切だが、成長も狙う」
⚠️ こんな人は要注意!損切り民予備軍チェック
危険な投資の始め方
- 「絶対儲かる」と思って始めた
- 下落リスクを全く考えていない
- 毎日株価をチェックしてしまう
- 借金して投資している
- 短期で利益を求めている
安全な投資の始め方
- 事前にリスクをシミュレーションで確認
- 最大30-40%下落することを理解している
- 余裕資金で投資している
- 長期継続を前提にしている
- 定期的な見直しを計画している
🚀 今からでも遅くない!正しいリスク評価をしよう
まずは現状チェック
あなたの投資、本当に大丈夫ですか?
下のシミュレーターで、あなたの投資プランの「現実的なリスク」を確認してみましょう:
確認すべきポイント
- 元本割れシナリオ:10%以下なら比較的安全な範囲
- 最大損失率:あなたが耐えられる範囲内か?
- 下位25%の結果:悪いシナリオを想定できるか?
重要な理解: モンテカルロシミュレーションは「もし様々な市場環境があったら」という仮定での分析です。同じ時期に投資を始めた人は同じ結果になりますが、いつ投資を始めるかによって結果は大きく変わります。事前にリスクの幅を知ることで、心の準備ができるのです。
💡 まとめ:NISA損切り民から学ぶ教訓
1. 事前の心の準備が最重要
- 単純な複利計算に騙されない
- 現実的なリスクを数値で把握
- 下落は「想定内」の出来事
2. 自分に合った設定を見つける
- 年代・リスク許容度に応じた商品選択
- 現金比率でリスク調整
- 無理のない積立金額
3. 長期継続こそが成功の鍵
- 一時的な下落に動じない
- 「時間を味方につける」発想
- 定期的な見直しで軌道修正
NISA損切り民の失敗を他山の石として、あなたは賢く投資を続けましょう!
免責事項: このシミュレーションは過去のデータに基づく統計的予測であり、将来の運用成果を保証するものではありません。投資にはリスクが伴い、元本を下回る可能性があります。投資判断は自己責任で行ってください。